はちみつドロップス
「だって高原の目に……わたしは女の子として映ってないもん」
天が皇楽を好きなんて有り得ないし気持ち悪い。
皇楽自身が言った一言を天はずっと、皇楽を想う気持ちと一緒に胸に抱き続けてきた。
「だから……もう止める」
こう言って制服の袖口で涙を拭った天が何かを吹っ切ったように、にっとはにかんで見せる。
それ以上かける言葉は見つからず、絵那もただそんな天にぎこちなく笑い返すことしか出来なかった。