暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
私のそんな必死のお願いにフィグリネ様は一瞬深く考え込み、そして何かを閃いたのか私へ向けて艶やかに微笑んだ。
「フィグリネ様……」
元の顔が整っているからだろうか。
その妖艶な姿に違和感を感じずにはいられなかったが、その違和感が何なのかが分からず、そんな気持ちは心にしまい込んだ。
ゆっくりとフィグリネ様が口を開く……。
「…よい事を思いついたわ」
私を見る目は少しだけ冷たく、さっきのフィグリネ様とは少し違ったような雰囲気を漂わせる。
「それは一体何でしょう…?」
聞きたいような聞きたくないような。そんな気持ちが交差する。
「貴女………
私の侍女になりなさい」