暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
「ほぅ……そなたは実に心が寛大なのだな。あの時と言い……部下の罪までかぶるつもりなのか?」
「それが上に立つ者の責任と言うものですので」
陛下の前であろうと物怖じせず、シュライクの表情はピクリとも変わらない。
「……そうか。しかし残念であるな。今はお前等を処している時間はないのだ。これを見よ」
そう言ってあの封筒を皆の前に見せるように出す。
「これはファンしか伝えていなかったが妃が攫われた国……ガルゴ王国へ向けて親書を送った物の返事になる」
「「…………っ!!??」」
陛下が発した自身の知らぬ事実に二人は目を見開かせ驚いた。
「それは確かなのでございますか……っ!?しかし、ガルゴ王国とは一体…」
ずっと行方を捜していたクレハは咄嗟に口を開いた。