暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】


「……話が反れたがこの手紙には簡単に説明するとこう書いてあった。『ガルゴ王国も貴殿の気持ちと同様、互いの国の発展の為、親交を深めたく思う。日時はこの手紙が届いてから、15日後とする』…とな」

「15日後………これは随分と中途半端な日にちですね」

そのような手紙の内容にファンは手を顎に当て、苦笑しつつ難しそうな顔でそう言葉を発した。


ここから向こうまで馬を飛ばしても4日はかかる。つまり今から15日後だとすると11日後にはこの国を出らないといけなくなるというわけだ。


早いというべきか、遅いというべきか。………いや、通常はおもてなしの為何日かは準備期間に時間がいるが、今回は明らかにあちらの準備期間が少ない気がする。どこか裏の思惑があるのではないだろうか。


様々な思いがファンの中で浮かぶ。

しかし、陛下はそんなファンとは違ってその日数に関してはそこまで気にしてはいなかった。

なぜなら、

「都合が良い」

「な、何がでしょうか?」

突如ポツリと意味の分からない事を発した陛下に、思わず疑問の声が投げかけられる。

「早くも遅くもない日にちとは最高の割り当てとは思わぬか?」

「………どういう事ですか?」

「相手がそんな中途半端な日にちを指定してきた理由……それは単純にあちらの都合が悪いからだ。他の日に来てほしくない理由がある。そして、逆に早いのではないかというそなたらの疑問……。相手は恐らく何か違うおもてなしの準備をしている最中だったのではないだろうか。そうでないと、明らかに早すぎる。もし、他の準備をしていたのならついでに行う事は可能だ」

同じ日に時間を変えて行うつもりなのか、もしくは…………。

陛下はそんな事を思ったが最後の部分は言わなかった。


「………なるほど。それですと確かに早くに招待されたのが納得できますね。既にセッティングが出来ていたとなれば後は行うだけですしね」

その陛下の言葉に納得したように3人は頷いた。

「しかし余はあいつらの思い通りに行動するつもりは当然ない。




   9日後、ここを出発する」


「……………今なんと…?」

「9日後と申されましたでしょうか?」

戸惑う3人に陛下は表情変わらず「あぁ、そうだが?」と答える。

もし、9日後にここを出発したらあちらに着くのが予定より2日ほど早くなり場合によっては失礼にも当たりかねないのだが、平然と答える陛下を見て最初は戸惑っていた3人も何か考えがあるのではと落ち着きを見せ始めた。


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