暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】


そして、それに気付いた陛下は続きを述べる。

「…当然予定より早く着くだろう。そして…ここからがそなたら3人をここへ呼んだ理由だ。ガルゴに行くのは余も含めこの4人。他の者は連れて行かぬ」

「わ、私もですか!?」

その言葉に反応したのはクレハであった。

「先ほど余の何を聞いていたのだ?」

「も、申し訳ございません…」

「そなたは護衛でありながら、妃を危ない目どころか危険に晒した罪がある。例えシュライクが代わりに許しを乞えどその事実は変わらぬ。その身を持って一緒に来てもらおう」

「………御意」

そう冷たく言い放つ陛下にクレハは静かに返事をした。


「………で、続きはなんですか?」


この空気を少しでも変えようと気を利かせたファンが話を戻す。

「そうであったな。向こうに着いたらまず行うのは妃探しだ。恐らく早く着いた事により相手は動揺しおもてなしをどのようにするか対策を練るだろう。そして、相手が行動を指定する前にするのだ」

「何をですか?」

「こちらが動きやすくなる為の行動をな。言うのは余だがその余興は……クレハ。お前に任せる。シュライクはその前のサポートだ」



――――
―――――
―――――――






< 160 / 368 >

この作品をシェア

pagetop