暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】


「よし!!!連れていけ!!!」

「とにかく急いで医師をここへ!!!フィグリネ様に何かあってはならぬ!!!」

リーダーと思われる兵士の言葉により腕を掴む力が一層強まり、鋭い痛みが私を襲う。

「痛い……っ」

「ほら、歩け!!」

兵士が来たことにより騒ぎが他のところまで広がったのか、あたりを見渡せばたくさんの方が見に来ており、その中にはギャビンさんとチベットさんの姿も見えた。

二人とも訳が分からないと言ったような顔だ。

しかし、訳が分からないのは私の方だ。

連れていかれる中ふと目にしたのは、地面に倒れこんだフィグリネ様とそれを囲み無駄な応急処置をしようとする兵士達。そして不安そうな顔でそれを見ている側女様方と外から中を面白そうに見物する侍女達の姿だった。



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