暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】

もしこれが私の策だと仮にでもバレたら…………。

いえ、バレるはずはないわ。

他の側妻達は私を慕ってくれているし、私が関与していたなんて恐らく考えもしていない。

私が失態を侵さない限り、それは問題なく終わる。


「………それにしても外が少し騒がしくはないかしら?今日は何かあったかしら?」

侍女達の騒がしい足音や喋り声。

この部屋の中まで廊下を通し、良く聞こえてくる。

「体調に影響を与えてしまってはいけないと伝えておりませんでしたが、アンディード帝国の王が急に訪問されたそうでございまして、只今王子様が対応しておられます」


「なん……………です?アンディード帝国の王が??」

私(わたくし)のそんな問いに侍女から返ってきた言葉はとても意外な事で、思わず驚いてしまう。

他の者の大半は知らぬかもしれぬが、アンディード帝国の王がここに来るなど普通なら考えられぬ事。

更にアルヴァン様に関しては他国の王と繋がりを持てる、この上のない好機の場。

晩餐会の前という時点でも都合が良い。

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