暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
「ではアルヴァン様は急に訪問された王の対応に忙しいというわけですわね…」
「作用でございますフィグリネ様」
しかし………………こちらからすれば何とタイミングの悪い事。
出した申請書も恐らく後に回されるであろう。
それに最悪この離宮全体を紹介されたとして、仮にでも牢屋に行かれたら………………………。
理由があるとはいえお客人にその様な光景を見せてしまいますと私(わたくし)がお叱りを受けてしまう…!
どうにかして牢屋の方に行くのを阻止しなければ。
「アンディードの王に見苦しい物をお見せしたくはないわ。上手く他の侍女を使って牢屋に近づけなくさせるよう動いてくれないかしら?」
そう言って優しく侍女に微笑むと、何も知らない侍女は私(わたくし)の笑顔に騙されたのか、良い返事をしその場を後にする。