暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
______バタバタバタ……ッ!!
ぼんやりと考えていると急に上とつながる階段から複数の足音が聞こえてきた。
前の兵士も驚いた様子で、一人がその方向に歩き始める。
「まさか刑が執行されるのかしら……」
急にそんな恐怖が私を襲う。
どこであろうと罰と言うものは酷く、場合により死を伴う。
今回はフィグリネ様の命が狙われた大事件な為、無実であっても疑いをかけられている私の命はまずないだろう…………。
以前は見を守るため宮殿で身を潜めていたから、この死と隣り合わせの恐ろしい感覚は久しぶりだ。