暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】


見せた方が早いと私は用意していたそのドレスにお酢を一つ……二つと垂らすと、すぐさまそのドレスに異変が現れた。


「……………………な、何これ」

それを見てフィグリネ様の震え声が聞こえてくる。

「既に洗濯済みでございましたので、あの日着ていたドレスを洗濯部の方からお借り致しました。ちなみにそのドレスには洗濯前、染みがあったそうでございます」

恐らくティーカップが地面に落ちた際ドレスにもかかったのだろう。


お酢を垂らすとその部分だけ深みのある紫色に変わっていった。

「ポポクテリアンの出す汁は手に染み込んでしまいますと中々落ちません。最低でも3・4日程は残るでしょう。しかもその汁はお酢と触れ合うことで変色を起こしてしまいますので、料理人はそれを避ける為手袋を着用するのでございます」

つまりこのドレスにはポポクテリアンと混ざったものが染み込んでおり、お酢と反応した。

毒はポポクテリアンに決定だ。


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