暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】

「お茶に入っていたとなれば……………恐らく粉末にしてからでしょう。となれば、そのポポクテリアンを粉末にする為に少なからず手で触っているはずです」

仮にフィグリネ様がそれを行っていなくとも、周りの侍女を一人ずつ検証していけば実際にそれを行った方が出てくるに違いない。

「…………先ずはフィグリネ様から検証なさいますか?」


「……………………わ、私(わたくし)は何も知らないわ!!ふざけないで!!!!」

「知らないのであれば検証しても変色しないはずですのに、なぜその様に動揺なさるのですか?」

「……………………っ!!」


変色すると分かっているからそのように動揺なさるのだ。

「……私は幼いスフィア様を苦しめた貴女様を許す事はできませんが、これからどうするのか判断するのは私でもスフィア様でもなく王子様でございます。ですので、私がお話するのはここまでに致します」

…………後はあの方に任せよう。

私の力ではフィグリネ様を抑える事はできない。


 
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