暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】

考えた処分












どこからか懐かしい声が聞こえてくる____。

『スフィア様!!』

『スフィア様、ここにお花を植えましょう♪』

『今日は特製のハーブティーでございます』


太陽の光によりキラキラと輝く金色の髪と、国の宝と言われる水と同じ色の瞳。

私の方を見ては変わりない笑顔を見せてくれるその人物。

『また朝から手入れをしているの?』

と聞けば、

『もう起きてこられたのですか!?…だいぶ良い庭園になりましたでしょう?』

と焦りつつも自慢げに笑う。

最初の頃の私は自信などまるでなく、ただ与えられた暗い部屋で去りゆく侍女を後ろ姿だけを見てきたけれど、新しいその人が来てから私の全てが変わった。

…………いや周りが変わったのではなく、私を変えさせてくれたと言った方がしっくりくる。

アルヴァン様の妻という立ち位置に恥じぬような女になりたい。そう思えるようになった。


あの侍女との出会いが私を変え、私の生活さえも変えた。


さっき聞こえてきた声はそんな侍女の声で、

その侍女の名前は___________



< 244 / 368 >

この作品をシェア

pagetop