暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
ギャビンの顔は全てを知っていると言うようだったが、
「…………私の口から申し上げない方が宜しいと思いますので、その事は是非アニーナ様にお願い致します」
「アニーナ……………様?」
あえてギャビンの口からは聞きたいことが何も出てこなかった。
「そのアニーナ様と言う方が、なぜ私が助かっているのか理由を知っているのですね?」
「そう…………ですね。その方がお早いと思います。時期にアニーナ様もこちらに来られると思いますので、その前にお医者様を呼んでまいります」
ギャビンはそう言うと私の方にお辞儀をして、その場から立ち去る。
「アニーナ様とは一体……。側妻にそんな名前の人は聞いたことないし………」
______ガラッ。
一人で考え込んでいるとドアの開く音が聞こえた。
もしかすると………………アニーナ……様!?
もう時期来ると言っていたし、ギャビンが医師をこんなに早く連れて来れるとも思えない。
となれば………そうよね?