暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
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「……ではそう言う事で」
「あぁ。陛下の寛大なお心遣いに感謝する」
王宮へ戻ってきてからは忙しくガルゴ王からの急な呼び出しに謝罪。そしてファンと連れてきた騎士達で今後の予定及び帰りの経路確認などでまた時間を使い、全て片付いたのは昼頃であった。
朝方に帰ってこれたと思えば結局は昼過ぎ……か。
しかし昼食をとるにはちょうど良い時間であったので、
「陛下どちらへ?」
「少し妃の様子を見てくるだけだ」
昼食に誘おうと用意された客室に足を向ける。
連れが一人増えた事もあり多少の部屋移動はあったが、特に前と変わらない見た目の廊下を、ただひたすらまっすぐ進む。
すると周りとは少し見た目の違うドアの前にたどりついた。
――――コンコンコン。
「入るぞ」
返事がないところからして寝ているのだろうか。
――――ギィ……ガチャン……。
念のため静かのドアを開け中へ入ると、
「…………」
広いベッドの上ですやすやと気持ちよさそうに眠る妃の姿があった。
「……余の妃は無防備すぎやしないか。これでは簡単に襲えてしまう」
その危機感のない姿に呆れて『はぁ……』と重たいため息をつく。