暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
貴族のような見た目のデザインに対してどこか威圧的な雰囲気を放つ騎士団の制服に憧れを抱くものは少なくないが、騎士団は貴族出身もしくは選ばれた実力ある者しか入れない国の狭き門とも呼ばれており、一般人が入ろうとするなど無謀に近い。
なので志願する一般人の多くは実力と合格レベルの成績を出せば入隊することが許される兵士隊に志願する。
ちなみに女の場合はメイドの側近部が国の狭き門と呼ばれているそうで、俺の姉ちゃんがその部署に所属しているらしい。
兵士と側近部とでは位が違うけど………どうにかすりゃ会えるよな?
「諸君、長らくお待たせしすまない。私は第一騎士団団長のシュライク・ギャビンだ」
――――ざわ……。
いきなり第一騎士団団長のお出ましにその場はざわつく。
「静かに!!」
そして、一緒に入ってきたもう一人の騎士の言葉でその場は静けさを取り戻す。
「私は第一騎士団副団長のガルデル・ロイ・ア・ランジェリだ」
次はこの副団長の名で辺りがざわめく。
団長はともかく……こっちはお貴族様ときたか。