暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
「ねぇ、グラントはどこの騎士団に入りたいとかある?」
「お前喋ってるのバレたら怒られるぞ…」
急に近くいたライが小さな声で話しかけてきた。
「大丈夫、このぐらい離れていたらバレないから(笑)俺はいずれ第一騎士団に入りたいから実績を上げやすそうなそこそこ上の団に入れたらとは思うけど、グラントは?」
「俺はー……分かんねーな。取り合えず動きやすそうな団に入れればそれでいいや」
上に行けばもちろん行動できる幅も広がるし、下の団でメイドと関われる仕事があるのならそっちでも構わないし。
取り合えずアニ姉を探すのが先だから、探しやすそうな団に先ずは入りたい。
「なんか意外だね?グラントなら上を目指すのかと思ったけど……あ、なるほど(笑)目的を達成する為に動きやすそうな団にって事か」
「………うっせー」
あの時も思ったけど、こいつは人の心が読めるかのように状況把握が上手く、その場の柔軟性もある。
気をつけねーと目的までこいつにバレそうだ。