暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
「一体どんな内容だったのかしら?」
そう呟いてその日記帳を閉じようとしたとき。
最終ページの下に、唯一読める字が姿を現した。
「これは確か……………」
『英語』だったかしら?
昔の人はこの字を用いていたと歴史で確か学んだ。
ちょうどこの字が使われ始めた時期が、私のご先祖様がこの地へ訪れた時だったような気がするけれど………そんなのただの偶然よね。
それよりも何て書いてるのかしら?
私はその文字を解読していくと、
『この地で私は一人。いきなり違う世界に飛ばされ、この異様な力は神の意志だと言われた私は救う旅に出掛けたが、結局は力を欲する者らに捕まってしまった。私はここから出る。誰の目にも触れられない地へ自由を求め』
と記されてあった。
これは何かの神話かしら?
私は何とも不思議な感覚に浸りつつも、その唯一読める字をもう一度目で追う。
妄想が入っているとしても、これを書いた方はとても寂しい思いをしていた事が文書から伝わってきた。