暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
これは自身の気持ちを綴ったものなのか、それとも他の人に宛てた内容かは分からないけれど………………こう言った内容を書き残すのは少し面白いかもしれない。
実家には力の事を書き残した本がいくつか保管されているけれど…………私もこの自身の出来事を、いつか誕生する力のある子孫へ向けて綴って見ようかしら。
力を持つ黒髪の子が誕生するのは何百年先の事だとは思うけれど、その時まで王族であったなら。
もしかするとその子が私の書いた日記を読むかもしれない。
そして、それが少なからずその子の道を照らすのであれば……。
「サニー」
「はい」
「部屋に戻りましょう。それと、新しい日記帳を一つ持って来てくれないかしら」
「日記を書かれるのですか?」
その言葉にサニーは首を傾げる。
「えぇ。妊娠した事だし、他にも意味はあるのだけど……今日から日記を書くことにするわ」
「さようでございますか。では、戻られましたら直ちにご用意致します」
「えぇ、お願い」