暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
相手の出方を伺うようにお互い見つめ合いジリジリ…とした大勢が続く。
「中2の俺に負けるアンタって言うのも結構面白そうだな(笑)」
「最近の学生は冗談がキツい。私が負けるとでも思っているのか」
「へぇ、余裕じゃん?(笑)じゃあ、俺からするけど文句ないよな!」
グラントは素早く前に走り出すと横へサッと移動し、クレハへ木の棒を振りかざす。
それを素早くクレハは木の棒でカバーをし、弾き返したところで横に棒を振る。
ギリギリのところでグラントはそれを避け、再び棒を_____……………っと、とにかく私は目で追うのが精一杯だ。
___ドンっ!
「…………っく!」
クレハの力が強いのか木の棒で受け止めきれず、グラントは大勢を崩してしまった。
棒も後の方へ弾き飛ばされる。
「くそ…!!!!」
咄嗟に取りに行こうと走り出すが……………………………
「………戦場だと思え。敵に背を向けることはつまり負けを認めたと言う事だ」
先程まで離れた位置に居たと思ったクレハが、グラントの首元へ木の棒を突き付けていた。
もはや取りにはいけないし、他に対処方も見当たらない。
「……………くそ!!!!!………負けだ」
負けを認めざるを得ない状況になってしまったグラントは、悔しそうに負けを認めた。