暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】


何だか感動的な空気に包まれているわけですが………………………私達がここへ来た本来の目的は視察だからね!?


「クレハ。弟も見れた事だし次へ行こう」


せっかくだから色々と街を見ておきたい。


「えー………アニ姉もう行っちまうの!!」


「………うん。時間が限られているからね。また今度手紙送るよ」


「俺もついて行っちゃ……「ダメ。授業を受けなさい」


グラントはこの授業に退屈みたいだ。

でもそれを抜けて出るのは学生である以上いけない。


「この間のようになんねーかすげぇ不安だけど、ソイツが一緒なら多分大丈夫なんだろうな……。わかった。気をつけて行けよ!」


グラントは以前この街で攫われそうになってしまった事を未だに気にしているみたい。


あれは私の不注意であってグラントがそう思い込む事でもないのだが。


「心配してくれてありがとう。今日も一応実家に泊まるつもりだから、また後で会おうね」


そうグラントに言うと、私は理事長先生を始めとする周りの方々へ感謝を伝え、その場を後にした。



_____……そう。この時私はまたグラントや皆に会えると思っていた。


そして陛下に……………………。




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