暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
消えた女達
街に戻った私達は、宮殿にいたときから1つ気になっていたある『事件』の調査………いわゆる下調べをする事にした。
もちろん陛下にはこの事は内緒にしており、話してしまえば、実家へ帰省するのを禁止もしくは『余も行く』などと言い出しそうだったのであえて内緒にしておいたのだ。
使用人達に入手してもらった情報の記された紙をクレハに見せると、危険だとは言いつつも『下調べ程度なら……』と協力してくれる事となり、
早速情報をもとにあるお店へと足を運んだ。
____カラン、カランッ♪
可愛らしい音を立て中へ入店すると、
「いらっしゃいませ!お好きなお席へどうぞ〜」
若い男の方から元気よくお出迎えされ、取りあえず私達は端の席へ座ることにした。
内装は全く怪しさなど感じられないむしろ好印象なオシャレなお店に仕上がっており、
机に置かれたメニューも美味しそうな物ばかり。
ここがまさか『アレ』のされている場所だなんて到底見えない。