暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
「アニーナさんは何になさいますか?」
「そうねぇ〜………沢山あって迷っちゃうわね」
見やすいように私の方へメニュー表を近づけてくれたクレハにそう言って苦笑して見せた。
ハンバーグも美味しそうだし、この写真に乗ってるパンケーキも美味しそう。
あぁでもいちごパフェも外せない!
「クレハは何にするか決まったの?」
「私はコーヒーとサンドイッチを頂こうかと」
サンドイッチかぁ……………それもいいなぁ。
「じゃあ、私はこのいちごパフェにするわ」
私がそう言ってメニュー表に書かれていたその文字を指差すと、
「すいませーん!」
「はーい!」
「コーヒーとサンドイッチ。それと、いちごパフェを1つお願いします。あ、飲み物はどうしますか?」
「えっと…………ではダージリンティーで」
店員さんを呼び慣れた手つきで注文してくれた。
「……クレハはよくこう言ったお店にくるの?」
「まぁ、たまに。城下町にももちろんこういったお店はございますが、やはり場所によって出す品が違うので足を運ぶのも面白いです」
城下町にもあるだなんて初めて知った……。
そもそも市場などにはよく行っていたが、商店街で何かするだなんてメイドであった時はした事がないし、
妃である今も時々しか商店街に足を運ばなかったから。