暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
「しかし……………本当にここで『アレ』が行われているのでしょうか?周りを見てみますが到底そのようには見えませんが」
私にしか聞こえない音量で話しかけてくるクレハ。
確かに周りを見渡してみれば、そこには疑う事すら忘れるような普通の光景が広がっていたからだ。
清潔でオシャレな光に当てられた室内と、薄色な木のテーブルに、椅子は赤色で少し丸みのかかった可愛らしい形。
ここに働く人達はオシャレな仕事着を着て、お客さんに笑顔を振りまいている。
「………でもこういった安全そうな場所の方が商売しやすそうよね。クレハ。特に女の人に注目して観察するわよ」
私達がここへ来た理由。
それはこのお店にて『人身売買』が行われているかどうかを調べる為だ。
何故かこの場所で女の人ばかりが消えるという報告が市民から届いたそうで、お店の人に言うが『知らない』の一点張りらしく、
街を巡回する兵士に報告しても取り合って貰えなかったそう。
そしてまた気になるのが女の人ばかり消えると言う事なのだが………………………やはり女の人の方が色々と都合がいいのかな?
美しければ他国の富豪にでも売り飛ばせれるし、力が弱い為抵抗もされにくい。