暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】



広告に字を書いてダメになった口紅をポーチに戻すと、ハンカチの落ちているそこへ再び歩き出す。


もし前の人がここで何かありハンカチを落としてしまったのだとすると………………………。


「あ、普通に拾えた」

自分の思いとは反対に何事もなくすんなりハンカチを手にする事ができた。

「壁は仕掛けなどないように見えるわね。ってことはさっきの女の方は一体どこへ…………」


この場だと後思いつくのは窓しかなく、ここは1階ではあるけれど何をもってその女の人達が窓の外へ行くのかが分からない。


行方不明になっているので、絶対背後には人身売買が隠れているのだと思ったのだが。


私は最後に窓の外を確認しようと更に窓側へ近づいてみたとき足がカツン………と壁に当たった。


そしてその時何か変なスイッチでも押してしまったのか。


「…………え?」


急に床がパカッ………と開き、重力に逆らえない体がそのまま下へ落ちていった________。




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