暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】



「私………もしかしたら騎士様の探しているその女性を知っているかもしれません」



「何だ……と?」


「話してはならぬと申されたのですが、その方はとても不思議な力で私の症状を治して下さいました。そして、その方はフードを深くかぶった人達に買われあの地下道へ………。そう言えば、その方も金色の髪を!」



不思議な力と言うことは、確実にお妃様で違いないと思う。


あれはお妃様でしか無い特別な力であるから。


それよりも買われたとは…………!!!


「あの地下道を行ったのだな?そいつがフード以外にどんな特徴があったか覚えているか!?」


「…えっと。変な話し方をしていました。ここら辺の者ではまずないです。それと中心的人物がこの部屋に入り品定めをしていた時、チラッと赤い髪が見えました」


「赤い……髪」


この国の者でないのは確かだ。

ここが売買禁止国だと知って入ってきたのか、他国でもこの闇売りは人気だったと言うべきなのか。


こう事態が大きくなる前に気づけなかった事に自分への怒りがこみ上げる。


その前に…………先ずはお妃様の後を追うのが優先だ。

「そこの兵は直ちにあの地下道を行き、怪しい者を取り押さえろ!!我らはこの者の尋問に移る!!」


「「「「「は!!!」」」」


兵士達に指示を出すとスーツ姿の男を連れてこの町に設置されている尋問室の兼ね備えられた部屋へと移動をした。



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