暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】


「……で、聞きたい事がいくつかあるんやけどまぁテリジェフの状況確認も含めて言わせてもらうが、ええか?」

「はい。問題ございません」

私も軽く状況確認を確認しておきたいしね。

「では言うで。まず俺はお前をあの場で買った。移動もあり侍女も足りなかったところやから丁度良いと思ったんや」


と言うことは初めから侍女探しにあの闇市を利用したのかな?

そもそもなぜ国外の者が闇市を知っていたのかが気になるところなのだが………。

「つまりアルヴァン王子様は侍女を探しにあの場におられたのですか?」

「これは侍女にする話でもないが、あの日はただの気まぐれであの場へ行った。それもちょうど話を聞いたものでな。あそこが人身売買禁止だとは知っていたが…………それを見るのも俺の仕事の一つなもんで」

つまりあの町でそのような事を言う輩がいると言うことね。

旅人風な服装だったとはいえ、そのような話を旅人にする人もどうかと思う。

でも、この人が来て居なければ私は知らない貴族や危ない国へ売り飛ばされてたのかも知れないし、そこは感謝しないといけない。

「その節は助けて頂きありがとうございます」

「え、俺何もしてないけど?」

「いえ、私はとても感謝しております。奴隷の大半は良い所には売られません。過酷な肉体労働をさせるつもりの貴族や権力を振りかざし無理やり愛人としてそばに置く汚い輩。人間としての扱わない方も中には居るのです。そう考えると私(わたくし)は十分に幸せな方でございます」

王族から買われるなどあまり聞いたことのない話であったが、アンディード帝国ではありえないだけで他の国では普通なのかもしれない。

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