暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
「あの……このようなお願い事無礼を承知で申しますが、私が奴隷だった事はどうか秘密にして下さらないでしょうか?」
「なぜや?」
まぁ、当たり前の反応だよね。
別に奴隷だとバレてもいいのだけど、またこうやって後々に疑われるのは嫌だし、それがきっかけでバレても困るから、なるべくここにいる間は普通の使用人として働きたい。
それにこういった高貴な方の使用人……侍女になれる奴隷などそうそう他では聞かないので、あえて隠しておいた方がこの王子様の印象を悪くせずに済む。
「私が奴隷だと他の貴族様に知れてしまいますと、王子様の質を下げてしまうかもしれません」
「別に以前も奴隷をこうやって入れていたし、問題はないんちゃう?周りは何も言わんかったけど」
………確か私をここへ連れてくるとき、従者一人が言っていたわね。
また買われるのですか?……と。
そういえばその奴隷はどうなったんだろう?私みたいにここで働いているのかな。
「その買われた奴隷の方は今どうされているのですか?私のようにここで働いているのですか?」