たとえ、この恋が罪だとしても。
*お兄ちゃんの彼女。
「真優ー?早くしなさいよ!入学式、遅れるでしょ?」
「わかってるよ!」
自分の部屋で、まだパリッとしている新しい制服に着替える。
「うわぁー…」
鏡を見て、自分のセーラー服姿を見た。
今日から中学に入学する。
小学校の時は私服だったから、制服を着るのは緊張する。
「なんか…少し大人になったような気がする」
色んな角度から、鏡を通して自分の姿を何度も見てしまう。
コンコン!
「…おい、真優!」
「!」
ドアをノックする音と、お兄ちゃんの声。
「早くしろよ。俺も遅刻する」
ドア越しから、お兄ちゃんが言う。
「わ…わかってるよ!すぐ行く!」
大きな声で返事をすると、兄が階段を下りて行く足音が聞こえる。
「…はぁ」
部屋の前に兄がいないことに、ホッとする。
ドキドキ、ドキドキ…
心臓がうるさい。