たとえ、この恋が罪だとしても。
ギャンギャンと多少は言い合いながらも、一休憩入れるとテスト勉強を始めた。
「…なぁ、真優」
「何?」
お互いに、机に向かったまま喋る。
「俺らの学校って、こんなに難しかったっけ?」
「…」
光太郎の言葉に、問題を解いていた手が止まった。
「授業ちゃんと聞いてるつもりなんだけど、全くわかんねぇ」
「…同じく」
「「…」」
真向いに座っている光太郎と目を合わせる。
「「あはは!」」
笑っている場合じゃないのに、同じことを思っていたんだと思うと、笑いが込み上げてくる。
「よく、俺ら受かったよなぁ」
「本当に」
「中間落とすと、期末はもっとやべぇよな」
「そうだけど…嫌なこと想像させないで。まだ中間も終わってないのに」
先のことを考えると、頭が痛くなる。
「涼真先輩、ここの学校入学してから学年トップ争いにいつも絡んでるだろ?ほんと、すげぇよ」
光太郎が溜め息をつきながら、とうとう後ろに寝転がってしまった。
「…そうだね」
部活でいつも帰ってくるの遅いのに、いつ勉強してるのかな思うぐらい。
「真優、よく涼真先輩と同じ学校に行こうと思ったよな」
ドキ。
光太郎の言葉に、心臓がドキっとした。
「…っ。それは、光太郎もでしょ?」
ドキドキ。
本当の理由を、知られてはいけない。
そう思うと、身体が緊張する。
「…俺は、真優が行くって言ったからだよ」
「…」
え?
寝っ転がってしまった光太郎とは距離はあるが、しっかりと聞こえた。
けど、意味が理解できず聞き返してしまった。