たとえ、この恋が罪だとしても。



「はぁ…そんな顔すんなよ。傷つく」

「!」

光太郎が溜め息をつきながら言った。


自分の表情は見えないが、きっと驚いた表情をしていると思う。


「まさか、本当に気付いてないとは…どんだけ、鈍感なんだよ。バカ真優」

「な…バカって!」


「まぁ、意識してたらそんな格好では来ないよな」


そんな格好ー…?


「俺だって、男なんだよ。真優」



自分の格好を座ったまま見直していると、光太郎が立ち上がった。



「!」


ビク。


急に立ち上ったため、光太郎相手なのに身体がビクっとしてしまった。



「立って、真優」


光太郎が手を差し伸べてくる。


「…」


いつもとは違う雰囲気の光太郎に戸惑いながらも、差し伸べられた手を掴んだ。



「…ほんと、わかってないな」

「え…」


手を握った瞬間に、光太郎がボソっと言った。



「きゃっ…!?」



強い力で腕を引っ張られ、座っていたはずの身体が勢いよく立ち上がった。


「ちょ…光太郎…?」


そしてバランスを崩した身体が、光太郎にもたれ掛る。



「真優は誰が好きなの?」


「!」


耳元でそう囁かれる。



ドクン。



私が、好きなのはー…






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