たとえ、この恋が罪だとしても。



「まさか、いまだにお兄ちゃんとか言わないよな?」


ドクン!


心臓が深く脈を打った。


「…っ」

光太郎にもたれ掛かった身体に力が入る。

否定しなきゃ…

違うこと言わなきゃ…



「それとも、山崎先生?」


「…え?」



山崎先生?


思ってもみない名前が出たことに、身体の力が抜けた。


何で、山崎先生の名前がー…



驚いて、光太郎の顔を見上げた。


「…やっぱ、そうなのか?」


「!」


もたれ掛かっていた身体が、今度は光太郎に体重をかけられる。



ちょっと待って…
後ろに倒れる!



ぎゅっと目を瞑り、衝撃に耐えようとしたがー…






「あれ…」




痛くない。


むしろ、背中がふかふかとしている。





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