たとえ、この恋が罪だとしても。
そして、目の前は光太郎の顔と…少し遠くに天井が見える。
ドクン、ドクン。
鈍い私でも、だんだんと今の状況がわかってきた。
「今まで男は俺と涼真先輩しか話してなかったくせに、高校に入学した途端、何故か山崎と楽しそうに話してるもんな」
「山崎先生は…部活の顧問だし…」
声も、段々と弱弱しくなっていく。
「山崎が顧問ってわかってるから、美術部なんて入部したんじゃないのか?」
「そんなの…知るわけないじゃん、てか…光太郎…どいてよ…」
押し倒されたのは、ベットの上。
光太郎の身体を押しても、ビクともしない。
ドクン、ドクン。
この状況に、相手は光太郎なのに恐怖感を抱く。
「真優がそんな格好で来るから、悪い」
「!」
ビク!
光太郎の手が、太ももに触れた。
「ちょ…やめてよ!」
「無防備な格好で足出して、男の部屋に来るなんて襲ってくださいって言ってるようなもんだろ?」
「何言って…!」
今度は、光太郎の手が頬に触れた。
「好きだよ、真優。ずっと、小さい頃から」
ドクン。
そう言いながら、光太郎の顔が近づいてくる。
光太郎が私をー…
けど、私はー…
お兄ちゃんが好き。
「…やめて!」
パンっと乾いた音が部屋に響いた。