たとえ、この恋が罪だとしても。
「はぁ…はぁ…」
人生で今が一番、力を使ったかもしれない。
「いて…」
光太郎の頬を叩いて痛がっている間に、ベットから下りた。
「はぁ…はぁ…」
解放されたというのに、まだ震えが止まらない。
「真優…」
「!」
光太郎がこっちを向く前に、光太郎の部屋を飛び出した。
「真優!」
背後から、光太郎が呼び止める声が聞こえる。
けど、足を止めることはない。
勢いよく光太郎の家から出ると、すぐ隣にある自宅へと入った。
ガチャン!
バタバタ!!
家の扉を勢いよく開け閉めしたため、玄関に置いてあった物が地面に散乱した。
「はぁ…はぁ…」
家に帰ってきたというのに、まだうまく呼吸ができない。
光太郎が…あんなことするなんて…
¨ずっと、真優が好きだったよ¨
それに、光太郎の想いにも気付いていなかった。
小さい頃からずっと一緒だったのは、光太郎も一緒なのに…私はー…
「真優?」
トントントンと階段を下りてくる足音で、顔を上げた。
「どうした?」
階段を下りてきたのは、お兄ちゃん。
驚いた顔をして、こっちを見ている。
どうしても、お兄ちゃんが好き。
お兄ちゃんの顔を見たら、どっと涙が溢れ出た。