たとえ、この恋が罪だとしても。



「…いいけど、3日間でその頭に叩き込むからな」


「!」


いつも通りの表情で言ったから、それが冗談なのか本気なのかわからない。



「う…うん!」

けどもし本当だったら嬉しいから、元気よく返事をした。



「放課後、図書室で。誰にも言うなよ。周りに人がいたら気が散る」

「うん!」


もう一度元気に返事をすると、お兄ちゃんがフッと笑った。




「じゃあ、今日はもう休め」

そう言うと、今度こそお兄ちゃんはリビングから出て行った。


足音で、階段を上っていったのがわかる。






誰もいなくなったリビング。


さっきまで泣いていたのに、お兄ちゃんと一緒に勉強できることが嬉しくて、笑顔になってしまう。




光太郎には悪いけど、私が好きなのはお兄ちゃん。






だから明日会ったら、ちゃんと言わなきゃいけない。






私は、光太郎の想いに答えることができないってー…










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