たとえ、この恋が罪だとしても。
*妹であること
翌朝ーー…
「真優、ごめん」
早起きをして、光太郎が家から出てくるのを待っているつもりだったが、先に光太郎の方が私の家の前で待っていた。
「…光太郎…その顔…」
昨日あった出来事よりも、今朝見た光太郎の顔に驚いた。
左頬が腫れ、口元が切れている。
「昨日、涼真先輩に殴られた…」
「え!?」
だから、お兄ちゃんも怪我をしてたの?
けど、光太郎の顔の方がひどい。
「あんな怖い顔をした涼真先輩、初めて見た。まぁ、俺が悪いんだけどさ。…真優、本当にごめん」
光太郎が深く頭を下げた。
「…ううん。私こそ、ごめん…光太郎の想いに、全然気づいてなくて。私も、お兄ちゃんに注意されたから」
「え!?真優も!?」
驚いた顔をした光太郎が、勢いよく顔を上げた。
「うん。ああいう格好で行く私も悪いって…」
¨もう、子供じゃない¨
お兄ちゃんは、そう言った。
「さすが…涼真先輩…いや、全部俺が悪いんだけどさ…」
光太郎は感心しながらも、うなだれている。
「光太郎…私はー…」
そう話出すと、光太郎はうなだれていた顔を上げた。
ぎゅっと自分の手を握り締め、話す決意をする。
「光太郎の想いに答えることができない」
真っ直ぐ、光太郎の目を見て言った。
「…ごめん」
最後のごめんは小さな声になってしまったが、正直に自分の想いを伝えた。