たとえ、この恋が罪だとしても。



「あぁ…俺もわかったよ。昨日の、真優の反応見れば」


…昨日の私の反応?


ドクン。

まさかー…


私がお兄ちゃんを好きだって…



「山崎が好きなんだろ?」

ドクンー…


¨山崎が好きなんだろ?¨

もう一度、頭の中でリピートされた。



「…は!?」



思わず、大きな声が出てしまった。



「大丈夫、誰にも言わないし。ちなみに、山崎は独身だって。だから、何の心配もいらない」


山崎先生って独身なんだ…って、そうじゃなくて!


「卒業すれば、何の問題もないし。歳の差は、すげぇけどな」

どんどん話を進めていく、光太郎。


「ちょ…ちが…」


私はいつ、山崎先生が好きってなった!?


「まだ応援はできないけど、いつか応援できたらいいなって思ってる」


二カッと笑って言った光太郎だったが、目は笑っていないように見える。


「悪い、先行くな。学校、遅れんなよ」


「あ…光太郎…」


呼び止めたはずなのに、光太郎は走って行ってしまった。




その後ろ姿を、強く引き留めることもできずに、ただ見てるだけー…







小さい頃からずっと一緒だからわかる。

光太郎が早口で喋る時は、何か悲しいことがあって我慢している時だってー…


一生懸命、誤魔化してくれたと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。




けど私は、自分で自分を誤魔化すことができるほど器用じゃない。




「…ごめん、光太郎…」



そう言うだけで、精一杯だったー…




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