たとえ、この恋が罪だとしても。
「真優、早くご飯食べちゃいなさい…あら…」
階段を下りリビングのドアを開けると、朝食の準備をしているお母さんがいた。
「…何?」
¨あら…¨と言ったまま、じっと上から下まで見られる。
「思ってたより、大きかった?制服」
「!」
まだまだ成長期だと思い、少し大きめに作った制服。
「し…身長はまだ伸びるから大丈夫だもん!!」
制服のスカートをぎゅっと握りしめ、言い返した。
「お前の身長、小5で止まったんだろ?もう無理だな」
「!」
朝食を食べながら、こっちを向かずに兄が言った。
「そんなことないもん!!」
「こら、朝から喧嘩しないの!お兄ちゃんも余分なこと言わないの」
お母さんに止められ、グッと我慢する。
「真優、今日も牛乳飲んでくの?」
「…うん」
お兄ちゃんに聞こえないように、小さな声で返事をした。
¨牛乳飲んでも効果ねぇじゃん¨って言われるから。
お兄ちゃんなんか、牛乳を飲まなくても身長180センチはある。
お父さんも、お兄ちゃんと同じぐらいある。
お母さんだって、身長170センチはある。
なのに私だけ、身長155センチ。
しかも、小5から伸びていない。
だから、毎朝牛乳を飲むようにしてるんだけど…
効果がない。