たとえ、この恋が罪だとしても。





隣に座ると、お兄ちゃんとの距離は肩が触れるぐらい近い。


ドキドキ。

ドキドキ。


心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと思うと、余計にドキドキしてしまう。



「中間の初日の科目から勉強するか」


ドキドキと落ち着かない私に比べて、隣にいるお兄ちゃんはいつも通り。



「聞いてるのか?真優」

「…え?あ…うん。聞いてる。えっと…初日は…」


慌てて鞄から、中間の日程表を出す。


「初日は、英語と数学と化学…」


日程表を見ながら言った。


「そうか。じゃあ、とりあえず英語からだな。2時間で3教科やるから、余分なこと考えるなよ」


ドキ。


「わかってるよ…」

余分なことと言われ、心臓がドキっとした。



「じゃあ、始めるぞ」

「うん」


そう言うと、お兄ちゃんの横顔は真剣な表情になった。





こんなにドキドキしてるのは、私だけかー…





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