たとえ、この恋が罪だとしても。
こうやって勉強を教えてもらうのなんて、中学1年の時以来ー…
あの時も、お兄ちゃんのこと考えてて先生の話を聞いてなかったから、罰として数学の課題を出されちゃったんだっけ?
で、放課後に一人でやっていたらお兄ちゃんが来てくれて、課題を手伝ってもらったんだっけー…
あの時も思ったけど、やっぱりお兄ちゃんの教え方は先生達よりもわかりやすい。
さすが、学年トップを争っている学力ー…
「さっきから何の質問もないけど、わかってんのか?」
「!」
解き方を教えてもらい、黙って問題を解いているとお兄ちゃんが顔を覗き込んできた。
ドキ。
「わ…わかってるよ。お兄ちゃんの説明、先生よりわかりやすいし」
近距離で座っているのに、顔を覗き込まれるともっと近くなる。
ドキドキしすぎて、目を合わせられない。
「なら、いいけど。じゃあ、この問題も解いてみて」
教科書の問題を指さし、お兄ちゃんが言った。
「う…うん」
視線を教科書に戻し、新たな問題を解き始める。
…あー、ビックリした。
もう、人には無防備だって言うくせにお兄ちゃんはどうなの?
あんな顔近づけて、普通の女の子なら勘違いしちゃうよ。
「…」
…あぁ、そっか。
問題を解いていた手が止まる。
私が妹だから、いいのかー…