たとえ、この恋が罪だとしても。
自分の席に座り、何度も中間テストの結果を見直してしまう。
こんなに良い結果を出せたのは、お兄ちゃんのおかげなのは間違いない。
けど、こんなに良すぎて…期末は大丈夫なんだろうかー…
そんなことを思いながら、結果の紙と睨めっこしているとー…
「真優、結果どうだった?」
ドキ。
この声はー…
頭上から声がし、結果と睨めっこをしていた顔を上げた。
「…光太郎」
声を掛けてきたのは、光太郎だった。
光太郎も、テストの結果を片手に持っている。
「…まぁまぁ、良かったよ」
話すのは、あの日以来ー…
緊張で、結果を持つ紙の手に力がこもる。
「…そっか。良かったな」
私の身体に力が入ってしまったことに気付いたのか、光太郎はそう一言だけ返すと自分の席に戻って行ってしまった。
「…はぁ」
光太郎が席に着いたのを横目で確認した後、出てしまった小さな溜め息。
久しぶりに光太郎が話し掛けてきてくれたのに、私は何で緊張してしまったんだろう?
あの日のことは、もう解決したはずなのにー…
光太郎とは、今まで通り接したいのにー…
「もうっ」
小さな声で自分自身に叱咤し、持っていた結果の紙を鞄にしまった。