たとえ、この恋が罪だとしても。






「ただいま~」

家に帰ると、玄関にはお兄ちゃんの靴だけがあった。

珍しい…今日は、先に帰ってるんだ。

中間テストも終わって、今日から部活も始まってると思ってたんだけどー…

そんなことを思いながら玄関で靴を脱ぎ、リビングへと向かう。


「…お兄ちゃん?」

リビングのドアを開け中の様子を伺うが、シー…ンと静まり返っている。

まさか…

この状況から、中1の夏の出来事を思い出した。

あの時もテスト結果が返ってきた日で、お兄ちゃんに教えてもらった教科が点数良くて、そのことを報告しようとお兄ちゃんの部屋に行ったら…


¨妹のくせに!!¨

お兄ちゃんの部屋に優華さんが居て、そう言われてしまった。

「…そんなのわかってるんだよ」

あの日のことを思い出して、出てしまった一人言。

私は死ぬまで…いや、死んでもお兄ちゃんの妹だ。


「はぁ…」

とりあえず、お茶でも飲もう。

そう思うと、やっとリビングへと入った。


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