たとえ、この恋が罪だとしても。
「おはようございます!!」
「!?」
家から出るとすぐに、大きな声が聞こえた。
「光太郎!」
家の前の道路で、光太郎が立って待っていた。
「涼真先輩!今日からまた、よろしくお願いします」
キラキラの笑顔で、お兄ちゃんに挨拶をする光太郎。
光太郎も私と同じで、新品でパリッとした制服を着ている。
「朝から元気だな。犬か、お前は」
「…犬」
「ぶっ」
お兄ちゃんの"犬"発言に、吹き出してしまった。
光太郎が犬…
確かにお兄ちゃんに対する態度は、犬に見えるかも。尻尾、めっちゃ振ってるように見えるし。
「りょ…涼真先輩の犬なら…」
光太郎も何か認めようとしている。
「いや、真優の犬だろ」
「!?」
私の!?
聞き捨てならないと思い、お兄ちゃんを睨み付ける。