たとえ、この恋が罪だとしても。



この間、学校近くの駅でキスしているのを見た。

「…っ」

ドクン。

この唇で…他の女の子とキスしてた。

ドクン。

ドクン。

ふつふつと、入学式に感じた感情と似たような思いが心を支配し始める。


ドクン。

ドクン。

震える指で、そっとお兄ちゃんの唇に触れた。

「…」

柔らかくて、温かいー…


私は、この唇に触れてはいけない。

他の女の子達は、何度も何度もこの唇とキスしているのにー…


「…私の気持ち考えたことある?」

ボソッと出てしまった、言葉。

いつも、いつもどんな思いでお兄ちゃんの彼女を見てきたかー…



「私の気持ち知らないでしょ?」



そう言いながら、お兄ちゃんの顔に近付くー…






ー…ちゅ…













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