たとえ、この恋が罪だとしても。



でも、誰にー…?


その写真を手に取り、じっくりと見ようとした時ー…


「こら、また人の部屋を漁って」

ビク!

山崎先生の声がし、ビックリして身体が跳ねてしまった。

「…すいません」

恐る恐る振り返り、苦笑いで謝った。

「何を見てたんだ?」

山崎先生は持っていたコップ二つをテーブルに置くと、こっちに向かって来る。


「え…あ、この写真の人…誰かに似てるなって思って」

本棚に置いてある写真立てを指さし、そう答えた。


「写真…」

そう一言だけ言うと、山崎先生は足を止めた。

「はい」

え…私、何か変なこと言った?

触れちゃいけないことだった!?


山崎先生の反応に、内心オロオロとしてしまう。



「あの…ごめんなさい…聞いちゃいけないことなら…」
怒られる前に、先に謝ろうとしたがー…


「…その写真は、俺の恋人だよ」


「…え?」


「正しくは、元だけどな。もう、10年以上前に亡くなってるから」


…え?



俯き加減にそう言った山崎先生に、言葉を失ってしまう。




この写真の女の人は…



10年以上前に亡くなっていて…


山崎先生の元恋人ー…






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