たとえ、この恋が罪だとしても。




そう問いかけると、山崎先生は手に持っていたコップをテーブルの上に置いた。

そしてー…


「…あぁ。今でも彼女を愛してる」


切なげに歪む笑顔で、山崎先生は答えた。


キュンー…

その表情を見て、心臓が締め付けられるように苦しくなった。


何で私がこんな気持ちにー…?


俯き加減に両手で胸を抑え、どうしてこんなに苦しくなるんだろうと疑問に思う。



「白石は…兄ちゃんが好きなんだろ?」


「!」


山崎先生の言葉に俯いていた顔を上げた。



何で…



ドクン。



何で、山崎先生がそのことをー…



ドクン、ドクン。


さっきとは違う思いで、心臓がバクバクとうるさくなる。






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