たとえ、この恋が罪だとしても。



お兄ちゃんを好きだと自覚した時、自分はおかしいのだと思った。


実の兄に恋心を抱くなんて、あってはならないことだとー…

けど、私はお兄ちゃんを好きでいることをやめれなかった。

お兄ちゃんに彼女ができるたびに嫉妬した。
けど、そのたびに自分が妹だと思い知らされた。


私は死んでもなれない、お兄ちゃんの恋人ー…


だからお兄ちゃんから拒絶されるまでは、私からはお兄ちゃんの側から離れないと誓った。


けど、今日ー…


寝ているお兄ちゃんにキスをしてしまい、その瞬間目を覚ましたお兄ちゃんに¨気持ち悪いことすんな¨と言われてしまった。



完全な、拒絶ー…


私の想いも、お兄ちゃんに知られてしまった。


もう家には、帰れない。


家族に戻るのなんて、無理だ。



そう思っていた時に現れたのは、いま目の前にいる山崎先生だった。


私のお兄ちゃんに対する想いを知っていながら、それを否定するわけでもなく、責めるわけでもなく受け止めてくれた。



¨もう苦しいだろ?¨



山崎先生の言った通り…




お兄ちゃんを好きでいることが、苦しくて苦しくてしょうがない。




けど、何でだろう?




お兄ちゃんに拒絶されて、こんな想いをしてもまだ…




私は、お兄ちゃんを好きだ。









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