たとえ、この恋が罪だとしても。


「もうビックリしたわよ!家に警察の人から電話が来て、お宅のお子さん2人を警察署で取り調べていますって言われて…」


息を切らせながら話すお母さん。
よっぽど慌てていたのか髪は乱れ、額には汗が滲み出ている。


「ごめんなさい…」

そんな姿のお母さんを見て、謝ることしかできない。

「一体、何があったの?兄妹揃って、警察に連れて行かれるなんて…」

ドキン!

「それは…」

本当のことなんて言えない。

絶対ー…



ぎゅっと唇を噛み締め、俯いているとー…


「どうも、ご迷惑をおかけしました」

何部屋かある部屋のドアが開き、山崎先生は頭を下げながら出て来た。

良かった…山崎先生も、取り調べ終わったんだ…

こっちに向かってきている山崎先生の姿を見て、ホッとしているとー…



「…山崎くん?」



隣にいるお母さんがボソっと言った。


え…今…山崎くんって…


隣にいるお母さんを見上げると、驚いた表情で山崎先生を凝視している。


どういうこと?


お母さんの視線の先にいる山崎先生を見ると、向こうもこっちの存在に気付いたのか、向かって来ていた足を止め、驚いた表情をしている。



「さくら…」

山崎先生がそう呼んだ名前は、お母さんの名前。


え…知り合いなの?


お母さんと山崎先生を交互に見る。


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