たとえ、この恋が罪だとしても。
田島さんの後に付いて行くと、辿り着いたのは普段使っていない教室。
制服のズボンのポケットから鍵を出すと、その教室の扉を開けた。
ポケットから出て来た鍵は一つだけじゃない。
じゃらじゃらと、数十個の鍵が一つのキーホルダーに付いている。
…さすが、生徒会長ー…
目の前の光景を見て、関心しているとー…
「入って」
先に教室に入った田島さんに言われ、恐る恐る教室の中に入った。
普段使うことがない教室だからなのか、中の空気は湿気たような臭いがする。
「こんなとこまで来てもらってごめんね」
「!いえ…」
田島さんは教室の真ん中まで行くと、向き合うように立った。
「誰にも聞かれたくないことだったから、人気のないとこを選ばせてもらった」
ドキー…
誰にも聞かれたくないことって…もしかしてー…
「今、真優ちゃんが思った通り!涼真のことだよ」
ドキ。
田島さんに考えていたことがバレてしまったことに、少し動揺する。
でも、お兄ちゃんのことで話ってー…
「こう見えても俺、生徒会長だからね。涼真と山崎先生に何があったかぐらいは知ってるよ」
「!」
ビク!
田島さんは、謹慎理由を知っているー…それだけで、身体がビクっと跳ねてしまった。
「そんな追い詰められたような顔しないで。誰にも言ってないし、喋るつもりもない。生徒会長であり、一応涼真の友達でもあるから」
ビクついてしまった私に、田島さんは安心させる笑顔でそう言った。
でも、だったら何で私に用があるの?
「…あの…私に何を聞きたいんでしょうか?」
恐る恐る、目の前にいる田島さんに聞いてみた。