たとえ、この恋が罪だとしても。
今、¨さよなら¨ってー…
「兄としても、男としても俺は側に居られない。いや、居れない。だからもう、今日でお別れだ」
「…っ」
待って!!!!
そう言いたいのに、涙が止まらなくて声がでない。
「一ヶ月考えた結果がこれ。じゃあな。気をつけて帰れよ」
扉に向かって歩き出したお兄ちゃんの背中を目で追うが、声が出ない。
待って!!
待ってよ!!お兄ちゃん!!!!!
そう大声で呼び止めたのに、声が出ない。
「…っ」
涙で、お兄ちゃんの姿もぼやけて見えない。
ガラー…
「!」
ピシャー…
扉が開き、閉じた音だけが耳に届いた。
シー…ンと、静まり返った図書室。
花火が終わり、今は月明かりで図書室の中が照らされている。
「…あぁ…」
脱力するように、泣きながら床に座り込んだ。