たとえ、この恋が罪だとしても。


たった2週間しか経っていないのに、お兄ちゃんの姿を見て目に涙が溜まる。


会えた…けど、どうしてここに?


「お、偉いな。やっぱ、来たか」
「!?」

歩いて来た道を振り返ると、山崎先生が花束を片手に持ちこっちに向かって歩いて来る。


やっぱ、来たかって…山崎先生が、お兄ちゃんを呼んだの?
でも、どうやってー…



「…俺の担任使って呼んだのは、山崎先生でしょう?」

「そうだな。騙して悪かった」

え…え…?


状況が読み込めず、お兄ちゃんと山崎先生を交互に見る。


「はは。妹が困惑してる。そりゃ、そうだよな。お前にも黙ってたもんな」

山崎先生が笑いながら、そう言った。


「いや…笑いごとじゃ…」
そう突っ込もうとした時、山崎先生はポケットから一枚の写真を取り出した。




「妹の方はもう知ってるよな?この写真。今日は兄ちゃんの方にも見てもらおうと思って、呼んだんだ」


さっきの笑い顔とは違い、写真を見せる山崎先生の表情は真剣なものになった。


「その写真…」

山崎先生に見せられた写真は、一ヶ月前に山崎先生の部屋に飾ってあった写真。

誰かに似てると思ったんだよね…
でも、誰にー…?


何度見てもわからない。
この女の人が、誰に似ているのかー…



「…真優」

「!」

いつの間にか、隣に並んで写真を見ていたお兄ちゃんがそう囁いた。


「この写真の人…真優にそっくり」


ドクン!


私にー?



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